サブウーファーの電源連動を自動化!Home Assistantの3つのコツ

「お父さん、なんか音がスカスカなんだけど」

リビングから息子の声がしました。息子は重低音が大好きで、ドンドンと体で音を感じるのが楽しみなのです。ところが、DENON のリモコンでアンプを入れ、iPhone から AirPlay で好きな曲を流したのに、聞こえてくるのは軽くて薄い音でした。

冒頭の場面。ソファの息子が「音がスカスカなんだけど」と言い、台所から顔を出した父が首をかしげる。部屋の隅のサブウーファーは電源が入っていない

原因はすぐ分かりました。サブウーファーの電源が入っていなかったのです。

このウーファーは、「シアターON」のボタン(Home Assistant のスクリプト)を押したときだけ電源が入る作りでした。作った私は、そのボタンから入れるのが当たり前になっていて、気づきませんでした。

「いつものボタン」を知っている人しか、いい音で聴けない。これでは家族のための仕組みとは言えません。

結論から言うと、アンプの電源が入ったらサブウーファーも入り、アンプが待機に戻ったらサブウーファーも切れる仕組みは、Home Assistant(ホームアシスタント)とスマートプラグだけで作れます。

アンプの「電源の状態」そのものを見張るので、リモコンでも、本体のボタンでも、スマホの AirPlay でも、アンプの電源が変われば、ウーファーが追いかける作りです。

私の環境(DENON AVR-4311 と TP-Link Tapo P105)で、実際にアンプの電源を入れて・切って測ると、次のとおりでした。

できごと ウーファーが動くまで
アンプの電源を入れる 0.5秒でオン
アンプを待機に戻す 10.5秒でオフ(10秒の待ちを入れてあります)

この記事では、設定の中身と、つまずいた3つのコツを書きます。

サブウーファーの電源連動で困ったのは、どんなとき?

ウーファーの電源が、スクリプトの中にしか書いてなかった

サブウーファーは、低音だけを出す専用のスピーカーです。電源は別になっているので、アンプを入れても、ウーファーは自動では入りません。

私は Home Assistant で、ボタン1つで複数の機器を順番に動かす手順書(スクリプトといいます)を作っていました。「シアターON」を押すと、テレビ・アンプ・スクリーンが動く、というものです。ウーファーの電源(スマートプラグ)も、その手順の1つとして書いてありました。

ところが、スクリプトを通さずにDENON のリモコンや AirPlay でアンプを入れると、ウーファーは入らず、低音が出ません。息子の「スカスカ」は、これでした。スクリプトを増やすたびに、ウーファーの手順も足さなければなりません。

アンプの電源の入れ方ごとの、ウーファーの動き。これまではスクリプトのときだけ入ったが、連動後はどの入れ方でも入る

そこで、Home Assistant に聞いてみました。「そもそも、アンプの電源が入ったら自動でウーファーの電源がオンになり、アンプの電源オフと連動してオフにできないの?」

答えは、できるでした。

電源連動のやり方は、大きく3つあります

方法 仕組み 向いている人
アンプの TRIGGER OUT 端子 アンプの電源に合わせて 12V の信号を出し、つないだ機器の電源を連動させる(機種による。ウーファー側も対応が必要) 対応する機種の組み合わせを持っている人
連動OAタップ 親機(アンプ)の電気の流れを見て、子機(ウーファー)のコンセントを入り切りするタップ 買って挿すだけで済ませたい人
Home Assistant +スマートプラグ アンプの電源の状態をネットワークで見張り、ウーファーのスマートプラグを入り切りする すでに Home Assistant とスマートプラグがある人。失敗したときの通知などを足したい人

ケーブル1本やタップ1個で済むなら、そちらのほうがずっと簡単です。私は Home Assistant で家じゅうの機器を動かしていて、アンプもネットワークでつながっていたので、3つ目を選びました。

Home Assistantでサブウーファーを連動させる仕組みは?

全体の流れ

全体の流れ。アンプ、Home Assistant、スマートプラグ、サブウーファーの順に、電源の状態を見張って入り切りする
  • Home Assistant は、家じゅうの機器をつないで、条件に合わせて動かせる無料のソフトです。「家の司令塔」のようなものです。
  • 「〇〇になったら△△する」という自動のルールを、オートメーションといいます。今回はこれを1つだけ作りました。
  • スマートプラグは、コンセントに挿すと、スマホやパソコンから電気を入り切りできるアダプターです。

用意したもの

項目 内容
アンプ DENON AVR-4311(LAN でつないであり、Home Assistant の統合「Denon AVR Network Receivers」で見える)
ウーファーの電源 TP-Link Tapo P105(スマートプラグ)。サブウーファー本体の電源につないだ
Home Assistant 2026.9.3(Docker 版)

オートメーションの中身

実際に動いている設定を、少しだけ簡単にして載せます。media_player.denon_avr_4311 と switch.woofer は、私の環境の名前です。自分の機器の名前に置き換えてください。

alias: アンプ連動ウーファー
mode: restart
triggers:
  # アンプが「待機」から変わったら(オン)
  - trigger: state
    entity_id: media_player.denon_avr_4311
    from: "off"
    not_to: [unavailable, unknown]
    id: "on"
  # アンプが「待機」になって10秒たったら(オフ)
  - trigger: state
    entity_id: media_player.denon_avr_4311
    to: "off"
    not_from: [unavailable, unknown]
    for: { seconds: 10 }
    id: "off"
actions:
  # プラグが「利用不可」なら、戻るのを最大2分待つ
  - wait_template: "{{ not is_state('switch.woofer', 'unavailable') }}"
    timeout: "00:02:00"
    continue_on_timeout: true
  # それでも戻らなければ、スマホに通知して終わる
  - if:
      - condition: state
        entity_id: switch.woofer
        state: unavailable
    then:
      - action: notify.mobile_app_あなたのスマホ
        data:
          title: ウーファーを操作できませんでした
          message: ウーファーのプラグが Home Assistant につながっていません
      - stop: プラグが HA につながっていない
  # オンのきっかけならウーファーをオン、オフならオフ
  - choose:
      - conditions: [{ condition: trigger, id: "on" }]
        sequence:
          - action: switch.turn_on
            target: { entity_id: switch.woofer }
      - conditions: [{ condition: trigger, id: "off" }]
        sequence:
          - action: switch.turn_off
            target: { entity_id: switch.woofer }

つまずいたのは、どんな所? 3つのコツ

コツ1: 「オンになったら」ではなく「待機から変わったら」にする

最初は「アンプが on になったらウーファーをオン」と書けばよいと思っていました。ところが、Home Assistant の履歴を見ると、アンプの状態は、電源が入っている間も、on ↔ playing(再生中)↔ idle(待機中)と変わります。

「on になったら」と書くと、曲を再生するたびにウーファーを入れ直す指示が出てしまいます。

そこで、アンプの電源が切れている状態(Home Assistant では off と表示されます。DENON の「待機」のことです)から変わったときだけ動くように書きました。

アンプの状態の動き。「on になったら」と書くと再生のたびに動くが、「待機から変わったとき」なら最初の1回だけ動く

コツ2: 切るのは「待機が10秒続いたら」にする

オフのほうは、アンプが待機になってから10秒続いたらウーファーを切るようにしました。一瞬の状態の揺れで、音楽の途中にウーファーが切れるのを避けたかったからです(これは私の狙いで、揺れが実際に起きたことは確認していません)。

さらに mode: restart にしてあるので、10秒待っている途中でアンプがまたオンになれば、オフの指示は取り消されます。

ウーファーが動くタイミング。オンは0.5秒、オフは待機が10秒続いてから(合計10.5秒)。待っている途中でオンに戻れば取り消し

コツ3: プラグが「利用不可」になっても、黙って失敗しないようにする

いちばん怖かったのは、スマートプラグが Home Assistant から見えなくなることでした。履歴を調べると、私のウーファーのプラグは、2026年9月30日の7時8分〜11時59分に、約1分の「利用不可」を8回繰り返していました。

しかも、「利用不可」のあいだに「オンにして」と指示しても、エラーは出ず、何も起きません。黙って失敗するわけです。家族は「ウーファーが入らない」としか分からず、困ってしまいます。

そこで、プラグが戻るのを最大2分待ち、それでも戻らなければスマホに通知して終わる作りにしました。

プラグが利用不可のときの流れ。最大2分待ち、戻らなければスマホに通知して終わる

ちゃんと動く? 実測の結果

夜は音を出さずに試した

夜に本物のアンプを入れると音が出てしまうので、最初は Home Assistant の画面の上でアンプの状態だけを書き換えて試しました。本物のアンプには触っていません。

履歴の抜粋です(日本時間、2026年10月5日)。

22:08:14.409  アンプ     on          ← 試験で書き込んだ状態(待機→オン)
22:08:14.472  アンプ     off         ← 63ミリ秒後に、本物の状態へ上書きされた
22:08:14.917  ウーファー  on          ← 0.5秒でオン
22:08:24.979  ウーファー  off         ← アンプのオフから10.5秒でオフ
22:08:35.448  アンプ     unavailable ← 「利用不可」を経由
22:08:36.453  アンプ     on          ← このオンではウーファーは動かない(想定どおり)

3つとも想定どおりでした。

  • 待機からオンで、ウーファーがオンになる
  • オフの10秒後に、ウーファーがオフになる
  • 「利用不可」を経由したオンでは、動かない

ひとつ、想定外のことがありました。書き込んだ「オン」が、63ミリ秒後に本物のアンプの状態(待機)で上書きされたのです。状態を書き換える試験は、本物のアンプがすぐ書き戻す前提で、時間を読む必要があります。今回は、この上書きを含めた時間の流れで、動作を確かめられました。

本物のアンプでも確かめた

その後、本物のアンプの電源を入れて・切って確かめました。履歴は次のとおりです(日本時間、2026年10月5日)。

22:15:18.483  アンプ     on
22:15:18.987  ウーファー  on          ← 0.5秒でオン
22:15:31.502  アンプ     off
22:15:42.012  ウーファー  off         ← 10.5秒でオフ(10秒待ち+動作0.5秒)

試験と同じ時間で、ウーファーが追いかけました。

スクリプトからウーファーの手順を外した

最後に、シアターやミュージックの5つのスクリプトから、ウーファーの電源の手順だけを外しました。二重に動かすと、どちらが入り切りしたのか分からなくなるからです。外す前に設定を控え、外したあとで読み戻して、消えたのがウーファーの手順1つだけであることを確かめました。

これで、アンプの電源がどう変わっても、ウーファーは1か所のルールだけで動きます。

注意点(うまくいかない場合)

  • Home Assistant が再起動したときや、通信が途切れたとき(「利用不可」)は動きません。アンプがオンのまま Home Assistant が再起動しても、ウーファーは、そのときの状態のままです。
  • スマートプラグを交換すると、名前(エンティティID)が変わります。オートメーションの中の名前も直してください。
  • ここで確かめたのは、私の DENON AVR-4311 と TP-Link Tapo P105 の組み合わせです。他のアンプでは、状態の名前や動きが違うかもしれません。

まとめ

  • アンプの電源の状態を Home Assistant で見張り、サブウーファーのスマートプラグを連動させれば、入れる方法を問わず、ウーファーが自動で入り切りする
  • 実測は、オンが 0.5秒、オフが 10.5秒(10秒待ち)
  • コツは3つ。① 「オンになったら」ではなく「待機から変わったら」にする ② 切るのは10秒続いたらにする ③ プラグの「利用不可」で黙って失敗しないよう、待って、通知する
  • 先にスクリプトからウーファーの手順を外して、1か所のルールにそろえる

いまは、息子がリモコンでアンプを入れて iPhone から曲を流せば、何も操作しなくても、ドンドンと体に響く低音が出ます。息子は、仕組みが変わったことに気づいていないかもしれません。

何も言われないのが、この仕組みのいちばんの成功です。家族が「どうやって入れたか」を気にせず、いつもの低音が出る。小さなことですが、毎日使うものほど効きます。皆さんは、サブウーファーの電源をどうしていますか?

この記事を書いた人

自宅サーバー歴は、Windows ホームサーバーの頃から約20年です。

※この記事は、私の体験や記録をもとに、AI(Claude)に下書きを手伝ってもらって作成しています。設定や数字などの事実は、私が確認しています。アイキャッチ画像と冒頭の挿絵は AI(Google Gemini)で作成し、本文の図は AI(Claude)が描いています。

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